合掌聞法 聞いてくれる人が話すことを、子どもは聞く

 皆さま、こんにちは。ともに新年度を迎えることができ、大変うれしく存じます。
 和光保育園は、昭和29(1954)年、私の祖父母である應善寺先代住職=松岡義雄と、初代(先々代)園長=松岡きく夫妻によって創立されました。それ以来、60年以上にわたり、保護者、行政、地域、その他数多くの方々によって、ここまで育てられてまいりました。
 その先々代と先代園長(母 白井耀子)をも見おろしてきた、園庭にある和光の象徴=辛夷こぶしは、花の時期を終えて、若芽を出し、もう一つの象徴=桜は、今まさに満開に向かっています。
 2本とも、これまで枝切りを経てきたのですが、にもかかわらず、というか、そのため、元気に、次々と枝と花と葉と芽を出しています。
 ここに、樹木の「成長しよう! 伸びたい!」という意欲と、植木屋さんの樹木に対する愛情が感じられます。これは、そのまま、子育て、保育に通じるのではないでしょうか。

 4月の徳目は、「合掌聞法」(手を合わせよう。話しをよく聞こう)です。
 「合掌」には、謙虚さ、つまり「自分がこの世で一番偉いわけではない」という精神が込められています。「自分は完璧である」と思いこむと、更に新しいものを学ぼうという意欲は無くなります。
 「聞法」。
 子どもに話を聞いてもらいたいと思ったら、先ず子どもの話を聞いてあげることでしょう。子どもが「ねえ、見て、見て!」「この前、〇〇したんだよ!」と言ってきた時、大人は「本当!」「すごいねえ!」と肯定するのです。
 私は、乳幼児期が安心で、楽しく、物事に没頭でき、またほっとできる日々であってほしいと思っています。そういう場を提供し、その中で日々をすごしていくうちに、子どもは、人の話が聞けるようになってくるのではないでしょうか。
 今年度もよろしくお願い申し上げます。

(『園だより』H29=2017年4 月号の原稿を基に一部改編)