1月の徳目「和顔愛語(わげんあいご)」

タイ 「普頌皇恩寺(Wat Leng Noei Yi)」の観音菩薩像

 あけましておめでとうございます。
 皆さまとともにまた新年を迎えられ、たいへん嬉しく存じます。

 今月の徳目は、正月にふさわしい「和顔愛語」です。
 そう、子どもも大人も明るい笑顔と優しい言葉がほしいのです。

 「慈悲」と「智慧」の象徴は、それぞれ観音菩薩と勢至菩薩せいしぼさつですが、日本や近隣アジア各国で、観音さまのお像はたくさんあるのに、勢至さまのお像はほとんど見たことがありません。そもそも「セイシボサツ」という言葉さえ知らない人がけっこういるのではないでしょうか。
 「智慧も良いですけど、そんなことより、先ず、お慈悲をくだされ!」というのが庶民の素朴な心情なのではないでしょうか。

 子どもは、大人が大好きです。私でさえ、保育室に行けば、子どもたちは「園長先生!」と呼んで近づいてきます。まして、日ごろおむつ換えほか現場の数々の仕事をしている保育士なら、なおさらです。家でも、「ママ!」「パパ!」と呼びながら後ろから追いかけ、抱き着いてくるのではないですか。

 人間には、できることとできないことがあります。地球に太陽の周りを一周させて、年を作ること。これはできません。その一年間生きてきたことに感謝し、元旦をリセットの日として、和顔愛語の新たなる一日目とすること。これなら、できます。
 昨年、順調だった人にも、そうでなかった人にも、朝日は同じように昇ってきました。
 今年も一年間よろしくお願い申し上げます。

(『園だより』平成31=2019年1月号を基に改編)