「精進努力」の賜物たまものである運動会を見事に成しげた子どもたちは、その後も、日常、保育園で、楽しみ、喜び、また頑張っています。
 勉強や技術、技能など結果が目に見えるものも大事ですが、もっと重要なのは、飲食、着脱、排泄、生活リズム形成、言いたいことを言葉で伝える、話を聞く、新しいことに挑戦する、最後までものごとをやり遂げるなど、生活に関することです。
 11月には、親鸞しんらんさまが旧暦11月28日(1263年)に亡くなったことから、その御恩ごおんに報いるもよおし「報恩講ほうおんこう」があります。
 親鸞さまは、「(自分を始め)人はみな凡人、人はみな愚か。そんな自分たちでもほとけさまは救ってくださるのだから、ありがたい」ということを述べられ、ご著書『正信偈しょうしんげ』には、「喜」と「楽」の字がしばしば出てきます。この嬉しさが起点となって、「ほとけさまや先達せんだつたちの御恩に粉骨砕身ふんこつさいしんしてむくいたい」という気持ちを起こされ、それを生涯、実行されたのでした。
 私たち大人は、先ず、子どもを愛することです。子どもは「自分は愛されている!」と実感した時、それが起点となって、そこから「頑張ろう!」という気持ちが生まれます。
 秋は文化、芸術、スポーツその他いろいろな活動にふさわしい季節です。子どもと一緒に日々を喜び、楽しみ、がんばりましょう。

(『園だより』平成30=2018年11月号より)

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