早いもので、母である先代より引き継いで、3代目園長となってから(初代は母方祖母)、年度最後の月=3月となりました。この間、歩みのしっかりしてきた0歳児を始め、各年齢の子は、みな一年前にできなかったことができるようになりました。
 3月は、また、別れの季節でもあります。年長の子は、卒園し、私たちのもとを離れていきます。年中児以下は、引き続き、居てくれますが、顔・体は一年前とは違っており、同じままであることは、ありえません。
 しかし、この「変化」が大切なのです。辛夷こぶしに花がいつまでも付いていたら、葉が出ないし、実もみのらないのと同じです。

 さて、この場を借りて、年長児を始めとする保護者の皆さまに、子どもたちのこれからの、人生に大事な「あん・いん・うん・えん・おん」をお話しさせていただきます。

 「あん」は「安穏あんのん」の「安」です。
 「安心、安全」の「安」です。子どもたちには幸せになってほしい。みんな、そのために生きていると言っても過言ではないでしょう。
 「いん」は「因果いんが」の「因」です。
 しかし、その幸せを築くためには、それなりの努力をしなければなりません。ものごとには、みな「原因」と「結果」があります。ですから、勉強ということもするわけです。
 「うん」は「幸運・不運」の「運」です。
 とはいえ、想定外のことも、身の上には起こります。ですから、疾病・事故・災害・犯罪に対する備えも大切になってきます。
 「えん」は「ご縁」の「縁」です。
 私たちがこうして巡り会えたのは偶然ではありません。私たちを引き合わせようという見えない力が働いているおかげなのです。
 「おん」は「ご恩」の「恩」です。
 そういうすべての他の人や自然の恵みのおかげで、私たちは生きています。引き続き、「おかげさま」「お互いさま」「ありがとう」の精神でいきましょう。

 卒園児の保護者の皆さん、長い間ありがとうございました。在園児の保護者の皆さん、これからもよろしくお願い申し上げます。

(『園だより』平成29=2017年3月号より、一部改編)

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