今回は佛教保育で大切にしている3つの理念の「仏道成就(ぶつどうじょうじゅ)」と「正業精進(しょうぎょうしょうじん)」についてのお話しです。

  • ⑵仏道成就(ぶつどうじょうじゅ)とは、「正しきを見て絶えず進む保育を行う。」ことです。お釈迦様の言葉と言える「法句経(ほっくきょう)」の一説に次のようなものがあります。

「ありとある悪をなさず、ありとある善きことは身をもって行い、おのれの心を清 めんこそ、諸仏のみ教えなり」

悪事に手を染めることなく、ひたすら善きことに励むことこそが人間としての生き方ではないでしょうか。悪事に誘惑されそうになった時、人智を超えた仏を礼拝し心を浄め、くじけそうになる心の支えとして生きることこそ大切な生き方なのだと思います。常に正しきことを見て進むことを念頭に行う保育が大切だと言えます。

  • ⑶正業精進(しょうぎょうしょうじん) 良き社会人を作る保育を行う

 人間社会において人は一人では生きていけません。多くの人々、多くの動植物等の世話になり、多くの人々、多くの動植物の支えによって生きているのです。

毎日の生活は佛教でいう「自利理他」行、または「同事」行の連続と言っていいのではないでしょうか。幼児は相互に助け合って生きていることを知るにはまだ幼いと言えましょう。しかし、このことを遊び等を通して少しずつ身につけていくことが大事な時期であるともいえます。「幼いからまだ無理だ」と、言っていたのではいつまでたっても社会性は育たずわがままな子に育ってしまうのではないでしょうか。

 この世のすべては縁によって生まれ、縁によって滅びるのです。「この身は父母を縁として生まれ、食物によって維持され、また、心も経験と知識によって育っていくものです。だから、この身もこの心も縁によって成り立ち、縁によって変わると言わざるを得ないのです。これは永遠普遍の道理です。このような社会で生きる善き社会人を育てることを目標にして保育を進めていきます。(佛教保育なるほど12ケ月より引用)

佛教保育の三綱領である

⑴慈心不殺(じしんふせつ)「生命尊重の保育を行う。」

⑵仏道成就(ぶつどうじょうじゅ)「正しきを見て絶えず進む保育を行う。」

⑶正業精進(しょうぎょうしょうじん)「良き社会人を作る保育を行う。」

この3つを理念として保育を進めてまいります。

             文責;園長 白井 千晴