今月の徳目は「精進努力」(最後までやり遂げよう)です。
この世を生きていくためには、毎日生き甲斐をもって送ることが大切です。特に、一日一日を大切にして自分の務めを努力し精進することは何よりも大事なことです。
「精進」は、精神的な成長をするための継続的な取り組みを意味し、「努力」は、その過程での具体的な行動や意思の力を強調しています。この二つを組み合わせた「精進努力」は、自分を磨き続けて、自己成長やさとりに至る道を切り拓く不可欠な要素とされています。
お釈迦様の弟子に、チューランパンタカという人という人がおりました。パンタカは生来愚かで、同じ言葉を何回聞いても覚えることができないばかりか、自分の名前さえ覚えることができなかったと伝えられています。お釈迦様は、チューランパンタカにほうきを1本渡され、「このほうきで塵をはらわん、垢を除かん。と、この言葉だけを繰り返して覚えなさい。」と教えられたのでした。この日から、チュウランパンタカは一生懸命「チリは払わん、垢は除かん」と称えながら、ほうきを手にして働きました。いつの間にかこの言葉を覚えると同時に、塵とは心の塵だろう、垢とは心の垢だ。ほうきとは何か。それはちえのことだなとわかり、心の塵や垢を取り除き、清く正しい心をもち続けることがお釈迦様の教えなんだと悟ったのでした。
この道一筋に努力したチューランタカの物語は、私たちが精進努力することの尊さを教えてくれています。日々の生活の中で一日一日を大切にして生き甲斐をもって過ごしていきたいものです。
(仏教保育なるほど12ケ月 参照) 文責;園長 白井 千晴