11月には、親鸞さまに感謝するつどい「報恩講」が浄土真宗系の各寺院・各保育園幼稚園で勤められます。
親鸞さまは、師匠法然さまより、「人はみな愚かだ。そんな我々でも佛さまは見捨てない」という教えを受け継ぎました。
確かに、人はみな失敗を繰り返す生き物です。
弱いからこそ助け合わねばならないのに、愚かだからこそ、反対に傷つけあったりします。
実りの秋の代表的食品に、栗があります。
栗はおいしい食品です。
でも、「いが」のついたまま、いきなり相手に手渡したら、相手は「何と意地悪な!」と思うでしょう。
そして、二人の間でトラブルが生まれ、結局、「栗の授受」という本来の目的は、達成されません。
しかし、言う側・言われる側ともに「栗」という内側を見失わず、「いが」という外側に気をつけ、
「お互い同じ人間ではないか。少なくとも佛さまではない」
と鷹揚な気持ちを持てば、世の中からもめごとはもっと減るのではないでしょうか。
今年も運動会は園児・保護者の皆さま・職員の尽力により無事に終わりました。
11月には大きな行事は無いですが、行事も日ごろの地道な「精進努力」の成果です。
父母懇談会では「園では、きちんと座って、全部食べているんですか」と驚き、喜ぶ親御さんの姿が見られました。
年長児は、散歩で年少児と手をつなぐ時、自分から気がついて車道側を歩きます。
子どもたちは、日々努めています。
ご家庭でも、子どもたちが今までに出来ないことが出来ているのを見つけたら、
「すごいね!」「できたね!」「ママも(パパも)嬉しいよ」
と喜びを分かちあってください。
そのやり取りは、親子双方を更に楽しく幸せに成長させてくれることでしょう。
(『園だより』令和1=2019年11月号を基に改編)