令和5=2023年3月15日
当園の卒園式では、長年、
『四弘誓願』が入場曲として使われてきています。
その内容の詳細は、より専門的なサイトに譲りますが、要するに、
「仏さまは何となく仏さまになったのではない。
世の中の全ての生きているものを救うぞ!という願いと誓いを立てて、仏さまになった」
というものです。
同様に、子どもたちも、何となく生まれてきたのではありません。
「生まれてほしい!」というお父さん、お母さん、その他たくさんの人たちの願いを受けて生まれてきたのです。
そして、「生きてきてほしい。育ってほしい」という願いの中で、生きてきて、育ってきました。
そして、「無事に保育園を卒園してほしい」という願いの中で、こうして卒園していくのです。
当日は、この誓いと願いの調が満ちる本堂に、子どもたちが静々と入場し、手に持つ蝋燭と花を仏さまに捧げます。
☆ ☆ ☆
『四弘誓願』は、当園の卒園式入場曲では演奏のみですが、もともとは仏典に由来する以下の漢文の歌詞を持っています。
歌の動画としては、例えば、「オテラ歌手」和田祐樹さんら男性三人による合唱がお薦めです。
https://www.youtube.com/@Oterakasyu
『四弘誓願』 詞:仏典 曲:小松 清
しゅじょう むへん せいがんど
衆生 無辺 誓願度
衆生は無辺なれども、誓いて度せんことを願う
<生きとし生けるものに限りはありませんが、そのすべてを救うことを願い、誓います>
ぼんのう むしゅ せいがんだん
煩悩 無数 誓願断
煩悩は無数なれども、誓いて断たんことを願う
<欲や悩みは数限りないですが、そのすべてを断ち切ることを願い、誓います>
ほうもん むじん せいがんがく
法門 無尽 誓願学
法門は無尽なれども、誓いて学ばんことを願う
<仏法は尽きることなくありますが、そのすべてを学ぶことを願い、誓います>
ぶつどう むじょう せいがんじょう
仏道 無上 誓願成
仏道は無上なれども、誓いて成ぜんことを願う
<さとりへの道はこの上ないものですが、成就することを願い、誓います>
http://www.shinshu-hondana.net/knowledge/show.php?file_name=gann
http://chikoin.com/blog-entry-167.html
http://www.tees.ne.jp/~houjuzan/shiguseigan.html
ほか
を参考に、上の書き下し文と現代日本語訳を作りました。
社会福祉法人 和光保育園 副理事長 白井千彰