月日が経つのは早いもので、今年度も最後の1か月を迎えることとなりました。
 すみれ組は保育園と、他のクラスもそれぞれ今のクラスとお別れです。

 保育園は、生きることを助ける所です。
 大人で言えば、保護者の就労その他を支えて、生活を応援する機関です。
 子どもで言えば、三つの「園目標」のもと、園児にこれからの人生に必要なことを伝える施設です。
 このうち、「自分で考え、自分で行動できる子ども」は、今月の徳目「智慧希望」と重なります。

 先月には、涅槃会ねはんえ(お釋迦しゃかさまの命日)のお参りがありました。お釋迦さまの逝去を前に、
 「先生が亡くなったら、私たちの行く道は真っ暗です。これから、どうすればよいのですか」
 と動揺するお弟子さまたちに、お釋迦さまが
 「私が教えたことと君たち自身という二つの灯を信じていけば、道は明るく照らされる」
 との言葉をお残しになりました。
 お釋迦さまを送り出すはずだったお弟子さまたちが、逆に、送り出される形となったのです。
 私たち大人も、子どもを教える立場にありながら、日常、子どもから教えられることが多々あるのは、誰でも経験のあることだと思います。

 年度末の「大きくなったお祝い会」では、狼に出会った子羊が智慧を絞って危機を脱出するお話『こひつじとつの笛』を上演する予定です。

 保護者の皆さま、この一年間大変ありがとうございました。
 職員たちも尽力してまいりました。おかげさまで、当園も、まもなく本年度を終えようとしております。
 来年度も宜しくお願い申し上げます。

(『園だより』平成31=2019年3月号の基となった文章)

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